生薬、桑のチカラ
新潟薬科大学との共同研究で桑のチカラを解明しています。
桑は、薬効の宝庫。
桑は落葉性の高木で、強い生命力を持っています。桑の葉は生糸を作る蚕が食べるエサとしてよく知られた存在ですが、豊富な栄養成分に加え抗肥満、抗糖尿病、不老などの効果・効能があることが古くから知られており、 漢方や民間薬として使われてきました。また、桑の幼葉は生食やお茶など食用としても生かされてきました。 現在、ストリーム社が進める新潟薬科大学との共同研究をはじめ、多くの研究機関が桑に注目し成分や機能の解析を進めています。

食べられる
生薬、桑。
漢方では、桑の根の皮は「桑白皮(ソウハクヒ)」、葉は「桑葉(ソウヨウ)」、果実は「桑椹(ソウジン)」と呼ばれる生薬です。漢方薬には消炎、利尿、鎮咳、去痰などの作用が知られる桑白皮が主に利用されています。ぜんそくや気管支炎、百日咳など気管や肺の症状に有効とされ、最近では血圧を下げる作用も調べられています。
桑の葉のチカラ
漢方薬として昔から人々が愛用してきた桑には、カラダの問題を解決する有効成分がふんだんに含まれています。植物工場で育てた桑は、有効成分がさらに増えることが新潟薬科大学との研究で分かっています。
桑の葉の主な有効成分
成分 | 比較 |
---|---|
カルシウム(心臓発作・血液が固まりにくい・骨粗鬆症・動脈硬化に) | 青汁に使われる明日葉の約5倍 |
鉄分(血行不良・貧血・めまい・疲労・頭痛に) | 青汁に使われるケールの約5倍 |
亜鉛(成長障害・味覚異常・貧血・糖尿病・乾燥肌に) | 機能性野菜クレソンの約3倍 |
マグネシウム(虚血性心疾患・動脈硬化・興奮・疲労に) | 青汁に使われる明日葉の約10倍 |
ビタミンC | みかんの約1.5倍 |
フラボノイド(抗酸化、抗炎症、抗菌作用の成分) | 韓国産桑サプリの約12倍 |
ポリフェノール(抗酸化、抗炎症、抗菌作用の成分) | 青汁に使われる大麦若葉の約8倍 |
DNJ:デオキシノジリマイシン桑だけに含まれる特長的な成分で糖分の吸収を阻害する | 植物工場の桑は畑育成の桑の約2倍 |

桑に含まれる食後の血糖値抑制成分1-デオキシノジリマイシン(DNJ*)とは?
構造がブドウ糖に極めて類似している糖様物質で桑の特徴的な成分のひとつです。 食物のデンプンなどの炭水化物は胃で消化され、最終的に小腸上皮にあるα-グルコシダーゼと呼ばれる糖分解酵素によりブドウ糖に分解されて、体内へ吸収されます。1-デオキシノジリマイシン(DNJ*)はこのα-グルコシダーゼを阻害する作用があるので糖の吸収を抑える結果になります。 (参考:独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構)
このように桑葉には血糖の上昇を抑える働きがあるので、昔から飲水病(現代の糖尿病)に効果があるとされており、お茶などで摂取することで日常の健康を助けてきました。
*DNJの表記はトヨタマ健康食品株式会社の商標登録です。

植物工場育ちの桑はDNJ(デオキシノジリマイシン)が5倍以上!
ストリーム社が植物工場の水耕栽培によって育てる桑は、屋外栽培(露地)の桑と比較して「1-デオキシノジリマイシン(DNJ)」の含有量がとても多いのが特徴です。
「1-デオキシノジリマイシン(DNJ)」の含有量
水耕栽培の桑 (FD) |
露地の桑 (FD) |
水耕栽培の桑 (乾燥) |
露地の桑 (乾燥) |
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214 | 143 | 76 | 14 |
(分析機関 新潟薬科大学)
桑の葉の期待効果
効果 | 詳細 |
---|---|
血糖値を下げる助けになる。 | DNJという桑ならではの成分が食後の血糖値上昇を阻止します。 |
内臓脂肪の蓄積を防ぐ助けになる。 | DNJが糖分の吸収を阻害するため内臓脂肪の蓄積防止に。桑には中性脂肪を抑制するケルセチンが玉ねぎの3倍以上。 |
血圧の上昇を抑える助けになる。 | 多量のカリウムが高血圧の予防や改善に。GABAも含まれており血圧を下げる効果も。 |
ダイエットに力を貸してくれる。 | DNJが食後の血糖上昇を抑えカロリーの過剰摂取を抑えます。内臓脂肪がつく肥満や糖尿病を予防します。 |
便秘を改善する助けになる。 | 食物繊維が多いため、腸内環境を改善し便秘解消の効果が期待できます。 |
健康状態を気にされている方に桑を。
青汁によく使われている大麦やケールには含まれていない、1-デオキシノジリマイシン(DNJ)を多く含んでいる桑は糖代謝の改善やダイエット効果が期待されますが、それ以外にも子供や胎児の成長には欠かせない栄養素である亜鉛やカルシウム、鉄、葉酸、ポリフェノールなどの機能性成分も多いことから成長期のお子様や妊娠中の方々にも望ましい健康食材です。
桑の根(桑白皮)のチカラ。
桑の根を漢方薬では桑白皮(ソウハクヒ)と言い、桑の根からエキスが抽出されます。桑白皮エキスには豊富なフラボノイドが含まれており、強力な抗酸化・美白作用を発揮。抗アレルギー・保湿・育毛・フケ痒み防止・抗菌・消炎効果なども期待できます。しかも植物工場の桑の根は、畑で栽培した桑の根よりもフラボノイドの量は実に4倍以上(新潟薬科大学調べ)。より高い効果が期待されています。

美肌力はビタミンCの
30倍。
お肌のシミやくすみ対策として、桑白皮は美肌と美白効果が格段にちがいます。
フラボノイドが発揮する美肌・美白作用である「チロシナーゼ活性阻害作用」を他の成分と比べると次のようになります。
フラボノイドの美肌・美白作用(チロシナーゼ活性阻害作用)
美白化粧品の原料ハイドロキシンの約3倍 |
コウジ酸(酒、味噌の発酵菌)の約10倍 |
ビタミンC(アスコルビン酸)の約30倍 |
桑の根の期待効果
効果 | 詳細 |
---|---|
アトビー皮膚炎や花粉症を改善する手助けをする。 | 畑の桑より4倍のフラボノイドによる抗炎症作用、保湿作用 |
血液をサラサラに、皮膚の活性化を促して老化を防ぐチカラになる。 | 畑の桑より4倍のフラボノイドによる抗酸化作用 |
お肌のシミやくすみをきれいにする手助けをする。 | 畑の桑より4倍のフラボノイドによるチロシナーゼ活性阻害作用、保湿作用 |
ニキビや吹き出もの、水虫を改善する手助けをする。 | 畑の桑より4倍のフラボノイドによる抗菌・消炎作用 |
桑のふんだんな機能性に集まる期待。
効果 | 詳細 |
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食物繊維 ・カルシウム ・鉄 ・亜鉛 ・ビタミンA ・ビタミンB1 ・カロテン ・エルゴステロール ・ルチン ・ガンマアミノ酪酸 ・モランA ・クワノンG ・クワノンH ・1-デオキシノジリマイシン(DNJ) | 血圧降下 ・血糖降下 ・高血圧予防 ・糖尿病予防 ・動脈硬化 ・鎮痛効果 ・解熱効果 ・鎮咳効果 ・去痰効果 ・利尿効果 ・発汗効果 ・抗菌効果 ・脳出血予防 ・脳軟化症予防 ・心臓疾患予防 ・骨粗しょう症(エルゴステロール) ・疲労回復 ・性欲増進 ・冷え性 ・ストレス軽減 ・コレステロール値正常化 ・発がん抑制 ・子供の成長促進 ・薄毛 ・脱毛 ・火傷 |

桑のチカラの解明に取り組む
新潟薬科大学の研究者
小西徹也
薬学博士、新潟薬科大学名誉教授、オフィスHALD食品機能研究所主宰、長春中医薬大学客員教授、新潟未病食養研究会代表。現在、機能性素材の発掘と未病ケア食品への応用、機能性食品開発の支援、健康寿命延伸プログラムの実践などの活動を精力的に行っている。